
2026年8月2日、本校の生徒・学生がカンボジア・プノンペンのトゥールスレン虐殺博物館(Tuol Sleng Genocide Museum)を訪問し、現地と日本をオンラインで結ぶ平和学習会を実施しました。

今回の取り組みは、名古屋経済大学ユネスコESD推進室と連携して進める国際的な学びの一環です。
生徒たちは、今回の訪問をきっかけに平和について学び始めたのではありません。これまで授業や探究活動、台湾の姉妹校との国際交流などを通して、戦争、迫害、難民、人権、国際協力について継続的に学び、対話し、自分たちに何ができるのかを考えてきました。
今回のカンボジア訪問は、そうした学びを実際の歴史の現場へとつなげる実践の機会となりました。
◯歴史の「現場」から平和を考える
トゥールスレン虐殺博物館は、カンボジアの歴史の中で多くの人々が犠牲となった出来事を伝え、その記憶を次世代へ継承する重要な場所です。
前日の8月1日には、博物館の展示や資料について学ぶ事前学習を行いました。そして8月2日のオンライン学習会では、生徒たち自身が現地からレポートを行い、展示から学んだことや、歴史を記録し伝え続けることの意味について、日本の参加者へ発信しました。
歴史を単に「過去の出来事」として知識として学ぶのではなく、
なぜこのような出来事が起きたのか。
人間の尊厳を守るために何が必要なのか。
そして、自分たちの社会とどのようにつながっているのか。
現地に立つことで、生徒たちはこれまでの学びを改めて問い直しました。
◯日本と台湾の学生がともに学び、発信
今回のカンボジア研修には、日本と台湾の学生が参加しています。

国や言語、歴史的背景の異なる若者たちが同じ場所に立ち、同じ歴史に向き合い、それぞ れの視点から考えることも、本事業が大切にしている学びの一つです。

平和について一つの答えを覚えるのではなく、異なる背景をもつ人々と対話しながら考え続けること。そして、学んだことを自分たちの言葉で社会へ伝えていくこと。

それは、持続可能な社会の担い手を育てるESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)にもつながっています。
◯「知る」から「考える」、そして「行動する」へ
本校では、国際的な課題を遠い世界の出来事として傍観するのではなく、
「知ること」「対話すること」「そして行動すること」を大切にしています。

カンボジアでの学習は、歴史的な悲劇だけを見つめるものではありません。
過去の記憶をどのように受け継ぎ、同じような悲劇を繰り返さない社会をどのようにつくるのか。その問いを、現在を生きる私たち自身の課題として考えることが目的です。
生徒たちはこれまで積み重ねてきた探究を、カンボジアの歴史の現場でさらに深めました。

今回得た問いや気づきを、今後の国際交流、難民支援、カンボジア学校支援、そして学校での学びへとつなげていきます。
歴史を学ぶことから、未来の平和をつくる行動へ。
本校はこれからも、国内外の学校・大学・関係機関と協働しながら、生徒一人ひとりが世界の課題を自分自身とつながる問題として考え、対話し、行動できる教育を進めてまいります。
名古屋経済大学ユネスコESD推進室・市邨高校ユネスコ平和教育推進部



