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市邨サイエンスキャンプ2024(伊豆大島)

Ichimura Science Camp 2024 in Sprinter

伊豆大島で4回目のサイエンスキャンプを実施しました

2024年3月25日〜27日の二泊三日、伊豆大島の三原山をフィールドにしたサイエンスキャンプを実施しました。コロナ禍で2年間は宿泊を伴う行事はできませんでしたが、昨年度伊豆大島でのサイエンスキャンプを3年振りに復活させことしの4回目の伊豆大島サイエンスキャンプを実施することができました。高校生11名と引率教員3名が参加しました。

第1回 サイエンスキャンプ2018の様子はこちら
第2回 サイエンスキャンプ2019の様子はこちら
第3回 サイエンスキャンプ2022の様子はこちら
本校で開催している「市邨サイエンスアクティビティ」

1日目 名古屋→熱海→伊豆大島(雨天登山)

1日目は火山博物館がリニューアルで休館しているので、島内散策(巨大地層断面など)を予定しました。2日目に現地ガイド(昨年もお願いした西谷香奈さん)とともに伊豆大島(三原山)での調査と登山を計画しました。しかし、天気予報は1日目・2日目とも雨予報。2日目は雨も風も強くなるとのことでしたので、比較的雨と風が弱い1日目にガイドさんによるガイドツアーを実施することにしました。雨と風が弱いとはいえ、霧を伴う春の雨はせっかくの雄大な景色を隠すほどでした。

三原山を背景に写真を取りましたが景色は真っ白です。
約36〜40年の間隔で噴火する三原山。登山道に避難所が整備されています。

三原山の溶岩は2種類。比較的サラサラと流動性の高い「パホイホイ溶岩」とドロドロと粘着性の高い「アア溶岩」です。パホイホイ溶岩の流れを表面で固まった溶岩から考察することができます。一見すると坂を登るような溶岩がありますが、その理由を考えてみましょうと「問い」をいただきました。

パホイホイ溶岩の塊で記念撮影。
約150年前の溶岩はもうすでに植物が生えてきています。ヒサカキの花の匂いを嗅いでいます。生徒たちは「ガス臭い」と叫んでいました。

三原山山頂には守り神として三原神社が建てられています。前回の1986年噴火では溶岩に飲みまれることなく健在です。祠の裏にある大きな岩が溶岩の流れを遮ったためと言われています。ただ、次の噴火では溶岩に飲み込まれてしまうかも知れません。そういったこともあって、三原神社には「住所」がないのだそうです。

神社裏にある大岩で溶岩の流れを止めています。

山頂は風も強くなり、その風邪を体に受けると吹き飛ばされそうになります。そんな環境下でしっかりと植物たちは根を張り生きているのです。山頂に残された溶岩の形が怪獣ゴジラに似ていることから「ゴジラ岩」と呼ばれているそうです。火口付近の砂を軽くほってみると湯気が上がります。手を近づけると暖かく風雨で引けきった体を温めてくれました。山頂の避難小屋で西谷さんから温かい「明日葉茶(あしたばちゃ)」をいただきました。心まで温かくなりました。

強風を体にうけて飛びそうです
地面はほんのりと温かく気持ちが良いです
霧の中のゴジラ岩

三原山を下りて、裏砂漠へ向かいます。裏砂漠は日本の国土地理院が発行する地図に唯一かかれている「砂漠」です。三原山の噴火に伴って噴出した火山灰と小さな溶岩粒(スコリア)が堆積しており、植物は何年も生えることがないそうです。深い霧のため、GPSを頼りにして裏砂漠を目指して歩きました。裏砂漠の小高い丘にのぼって記念撮影(みんなでジャンプ)しました。

裏砂漠で記念撮影
みんなでジャンプ!
参加生徒が持っていた360°カメラで撮影中
その写真がこれです。

裏砂漠から離れ、再び散策路を歩きます。この道は溶岩地形の上に植物が生えて行く様子(植生遷移)を観察することができます。コケや地衣類から草本類、低木層、高木層と変化してきます。とても魅力的な道です。道端の水たまりに反射した幻想的な写真を撮影しました。

水面で反射した写真を撮影できました

2日目 伊豆大島散策(巨大地層断面・波浮港・筆島・泉津の切通)

伊豆大島は火山の島です。100万年前から繰り返された噴火によって噴出した溶岩と火山灰が堆積して形成されました。その様子がわかるのが「巨大地層断面」です。硬い溶岩と柔らかい火山灰が層状に積み重なっています。

伊豆大島周回道路を建設中に発見されました。通常はコンクリートで覆ってしまいますが、学術的価値が見出されたためそのまま保存されています。
地層の見た目が洋菓子の「バームクーヘン」に似ているため、島内では「バームクーヘン」と呼ばれているそうです。バス停にもフォークが刺さっています。遊び心がありますね。
人が通行するために深い森の壁が切り取られています。幻想的です。

3日目 天気が回復し再度、三原山へ

1日目・2日目の雨が止み、3日目はやや風が強いが快晴です。早朝3時から天体観測をしました。

東の空は夏の大三角(デネブ・ベガ・アルタイル)が見られます。月の影響を受けて天の川は見られず残念
満月から2日後のほぼ満月が西の空に輝いていました。

再度、三原山へ登頂します。1日目とは打って変わって、色のある世界が広がっています。生徒たちは「1日目はこんなところを歩いていたなんで」とその違いを楽しんでいました。

雄大な三原山の風景
86年溶岩の上を歩く。植物はまばらです。
1日目にも撮影したパホイホイ溶岩
1日目にも撮影した避難施設
ゴジラ岩、背景に富士山は格別です。
溶岩ストロー
三原山火口を1周しました。
3日目は快晴で気持ちよい
三原山を背景に記念撮影。1日目は白い霧だけでした。
西谷さんが所属するグローバルネーチャークラブでの記念撮影。みんないい顔です。
この記事の筆者
ワンゲル
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