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明けましておめでとうございます

2022年が始まりました。
コロナ禍での3年目の正月となりました。
生徒たちは、久しぶりに会う友達に嬉しそうな笑顔で応えていました。明るい展望の開ける新年にしたいと思います。
始業式は、各教室で放送にて行いました。
始業式後は、中学校は学力推移テスト、高校1,2年は「学びの基礎診断」、高校3年は授業となります。
始業式式辞「年頭のあいさつ」です。
明けましておめでとうございます。

 

2022年、令和4年が明けました。
 今日は17日、人日の節句といいます七草の節句ともいいます。七草がゆを食べると一年病気にならないとか、五節句の一つです。
 新型コロナが広がって、3年目になってしまいました。ここまで長引くとは思いたくなかったですね。100年前のパンデミックであるスペイン風邪は、1918年から1920年までの3年間続いたと記録にありますからひょっとして1年や2年では終わらないのかなとは思っていましたが、まさか3年目に突入するとは、そして、年が明けて、身近に陽性者が出るに及んでは、楽観的な展望を抱いてはだめだと思います。確実に一つ一つの感染防止対策を実行し続けなくてはいけないと思います。

 今年の元旦には、初日の出を見ることができました。雲は少しかかっていましたが、太陽が輝きながら登ってきたとき、自然と厳かな気持ちになって、いい一年になりますようにと拝みました。
 実は、私は、今年は世界が前向きに変わっていくのではないかと感じています。世界は安定しているとはとても言えませんが、12年前と比べると、世界を暗澹とさせたアメリカのトランプ氏はひとまず退場し、イギリスのブレグジット(EU離脱)は大きなダメージをイギリスに与え、回復しないまま低迷している。フランスのマクロン大統領は人気が低迷したまま、ドイツのメルケル首相は偉大な足跡を残して退場し、あまり混乱せずに政権交代しました。きな臭いのは、ロシアとウクライナが戦争直前にあること。カンボジアはタリバンが復権してしまったが表面上は落ち着いたし、インドとパキスタンは小康状態、問題はミャンマー、中国の脅威は拡大しています。そして北朝鮮。
 何も良くなってはいないけど、なんとなく最悪の事態は過ぎ、これから先は大きく足を踏み外すことなく、正しく変わっていけば、世界の状況は良くなってくるのではないかと勝手に思えるのです。CO₂問題に対しては、一応世界が協調して脱炭素政策が打ち出され、再生エネルギーを求める動きが進んでいます。SDGsは世界中で動きがあり、企業においてもSDGsへの取り組みを大きく謳うようになりました。17の目標を追究する様々な取り組みは、次に来る社会の、新しい価値観にまでなってきています。いまや、ICTは加速度的に進み、AIは社会の隅々にまで浸透しつつあるし、ロボットは工場では当たり前で今や家庭にまで入り込んでいるし、車のEV化はあれよあれよという間に進んでいる、テスラは次に車を買い替えるときの選択肢の一つとなり、トヨタが昨年末に路線を変更して、一気にEV戦略を進めることになりました。愛知県は大きく影響を受けるでしょう。
 ネットの世界でもSNSYOU TUBEは当たり前のインフラとなり、Facebookは名前をMetaに変えて、次はヴァーチャルな世界を当たり前に行き来するメタバースの世界だと言っています。
 コロナにもかかわらず、いやコロナだからこそ、コロナをきっかけにして世界は確実に変わろうとしているのです。

変わってないのは、我々の、いや君たち若者の世界観。世界がこれからどのように変わっていき、したがって、君たちの職業がどのように変わり、君たちの未来の生活がどのように成り立っていくのか、想像できないでいて、ただ、今の生活の延長上にしか未来を描けないことです。これでは変わりゆく世界をリードすることはできず、おいて行かれないように現在に踏みとどまるのが精いっぱいとなってしまいます。
 だから学校は変わらなければならない、今までの価値観を脱ぎ捨てて、例えば、いつも言っているように、「学ぶとは、覚えることではない」とか、「試験は、いい成績を取るためではなく、いまの自分の力を測るもの」だとか、「自分の考えが正しいかどうかは、人前で表現して始めてわかる」とか、「いい大学に入ることに価値があるのではなく、やりたいことができる大学に価値がある」だの、新しい目で今の考え方を見直す必要があるのです。
 つまり、新しいキャッチフレーズでいうと、「殻を破って、新しい自分を見つけ出そう」ということです。
 今年はそれが可能になる年ではないかと思うのです。コロナに負けなければ、実現可能です。
 4月から新しい学習指導要領で構成された新しい教育課程で学ぶ1年生が入学してきます。その時、今の1,2年生である在校生の君たちも変わることになります。いや既に君たちの学びは大きく変わってきています。他校と比べればそれがよくわかるはずです。iPadを自由に使いこなすというだけの違いではありません。授業そのものが自らの活動を主体とした授業に変わりつつあります。
 授業だけでなく、部活動もまた大きな進歩を遂げています。全国的に活躍する部や毎日の練習で充実した活動をする部があります。部活動を一生懸命に取り組むことが自分の生き方においてどのような意味を持つのか、それを自ら理解することが、自分の大きな成長に繋がります。去年はオリンピックで卒業生が活躍し、話題になりました。今年も、北京オリンピックで吉永一貴君が活躍します。スピードスケート・ショートトラック日本代表です。また、全日本カート選手権で活躍する野村勇斗君が鈴鹿サーキットレーシングスクールの選考会で選ばれ、次世代レーシングドライバーを目指してフランスに活躍の場を移します。
 「世界は我が市場ならずや」。世界で活躍する人を市邨は応援し続けます。
 最後に、高校三年生は、人生の次のステージに向けて学びを続けてください。来週末の大学入学共通テストに向けてがんばっている人がいます。すでに進路先を決めている人も、これからが勉強です。勉強は卒業した後のためにするのです。大学に入学するためではありません。
 三学期は、一年の締めくくりです。あっという間に過ぎていきます。
 これまでの殻を破って、新しい自分を見つけましょう。

この記事の筆者
校長 澁谷有人
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