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1学期終業式を行いました

昨日の大雨がようやく止んで、夏の空になりました。

終業式は、全員集合したかったのですが、グランドコンディションが悪く、昨年と同様、放送により教室で行うことになりました。せめて校歌は三番まで演奏しました。

おはようございます。

今年も天候が不順で、全校生徒が集合する形で1学期の終業式を行うことができません。放送による式となりますが、一体感を持って1学期を終えたいと思います。 

「行く川のながれは絕えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。」これは、鎌倉時代初期の随筆で鴨長明作「方丈記」の冒頭の一節です。 「川の流れはたえることなく、それでいて流れる水は元の水ではない。川のよどみに浮かぶ泡は消えたと思うとまたできて、長くとどまっていることはない。」という意味でしょうか。

私はこの本に高校1年生の時に出会いました。夏休みの読書課題として与えられました。後でわかりましたが、先生方は日本人として身に付けるべき教養を高校生のうちに叩き込むべきだと考えていたのです。もちろん日本の古典だけでなく、ヘミングウェイの短編など英語版で指定されました。宿題ですから、自分で読みたいわけじゃない、与えらえたものだし、やらなければならないからやるっていうものなので、英語と国語、特に古典の苦手な私としては、古典の購読という課題は嫌だなという感情しかなかった。でもこの本は岩波文庫でページ数は3~40ページほどの薄い本でした。楽勝と思って、つい後回しにしておきました。そうするとどうなるかは皆さんが想像するとおり、夏休みもあと数日というときになって読まずに残っていました。大慌てで読み始めて、そしてはまってしまった。作者は鎌倉時代の鴨長明という歌人です。かれは、人の世の無常を感じて出家し、遁世した人です。その無常観にやられてしまった。明日をも知れないこの世の中で、安定した人生を目指してどうなるんだ、勉強してどうなるんだ、人は何のために生きるのか、・・・。高校生の心を鋭く刺したんですね、「方丈記」が。

近頃になって、この方丈記の一節をしばしば聞くようになりました。評論家たちが、先の見えない未来、落日の日本を800年前のこの文章に見つけたのだと思います。あれだけ栄えてきた平安京の都が、五つの災害によって崩壊していく様を見、自らの人生を冷徹に見た鴨長明が生きた時代と、Japan as no.1 と言われ、世界第2位の経済的繁栄を誇った日本が今や他のアジアの国々においていかれようとしている時代を重ねているのだと思います。

私たち人間は時代に流され、自然の大きな力に翻弄されて生きていくちっぽけな存在ですが、そのちっぽけな私たちの生き方の一つ一つが時代の流れを作っていくものだとも言えます。

おそらく勉強というのは、大きな世界の流れの中で、自分の人生を作っていくための力になるもので、特にこの中学、高校時代の多様な学びが人生の方向を決定づける大きな意味を持つのだと思います。単に難関大学の入試をクリアする成績を得るためでなく、自分の人生を自分で選ぶための大きな力を付けるための勉強であってほしいと思います。

50年前に高校生だった私は、やがて来る騒乱の時代を感じつつ、インターハイを目指してヨット部という部活動一筋に過ごしました。勉強しなければ、自分の未来は切り拓けないと思ったのは、方丈記を読んでからでした。無常観に打たれ、共感しつつも、自分の未来を信じようと思ったのですから、矛盾しています。  若かったということでしょう。

明日から始まるあなたたちの夏休みは、そのような人生を左右する学びができるときです。1学期につかみかけた探究学習への取り組みを、より深くより強力に進めてほしいと思います。授業では得られない学びを自分が計画し自分が目標を立てて追究してください。学びを止めてはいけません。部活動を頑張ることも学びですし、旅行などの体験をすることも学びです。また、本を読むことも大きな学びです。私が高校時代に方丈記に出会ったように、君たちも人生を左右する本に出合うよう願っています。

私の高校時代と大きく違うことは、今はコロナの時代だということです。第7波が来ています。三密なところは避けましょう。太陽と共に起きて、夜は早く寝て睡眠時間を十分に取りましょう。食事をきちんと摂り、生活のリズムを整え、万全の体調を維持しましょう。免疫力を高め、ウイルスにかかりにくくするためです。

そして、熱中症対策を忘れないように。

学校からの連絡が、iPadを通して伝えられます。あるいは、HPで、その中の学内のページを注意してください。

9月1日には、全員元気に2学期を迎えましょう。

この記事の筆者
校長 澁谷有人
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