5月3日は市邨学園の創立記念日です。
この日は後に、憲法記念日と重なることになったため、祝日になりました。
そのため毎年その前の登校日の朝、全校放送をして全校で創立記念日を祝うことにしています。
校長挨拶です。
おはようございます。
あっという間に一月が過ぎました。コロナに負けない、学びを止めないという方針の下、オリエンテーション合宿、校外学習、遠足を行いました。学校を離れて、友達と一緒に自然体験をする中で、市邨生としてのアイデンティティーが形成されていくと思います。
明日5月3日は、市邨学園の創立記念日です。
本校は、115年前の1907年(明治40年)に市邨芳樹先生によって創立されました。この日に布池町の市邨先生の自宅で入学式が行われ、5月8日から下竪杉(しもたてすぎの)町の仮校舎で授業が始まりました。名古屋女子商業学校の始まりです。入学生は26名だったそうです。
そのころは、義務教育が4年から6年に拡大された頃で、中学校は男子だけが通うことができました。女子が学校に通うということは当たり前ではありませんでした。当時、名古屋商業学校(いまのCA)の校長をしていた市邨芳樹先生は、これからの日本の発展のためには男子だけではなく 女子にも商業教育が必要だという先進的な考えのもと、自ら出資して名古屋女子商業学校を設立したのです。ですから、CAに対して、GCAと名乗りました。GirlsのGを付けたのですね。それが今の市邨高校・中学校の始まりです。その建学の精神は、「一に人物、二に伎倆」で、CAも同じ校訓を掲げています。その先進性を持って、社会を牽引していくという姿勢がいまも市邨に息づいているのです。
5月3日というと憲法記念日に重なりますが、憲法が制定されたのは、第2次大戦後の1947年のことですから、ずっと後のことです。
本校が、現在の地に移ったのは、戦争後の1954年(昭和29年)のこと、そして、男女共学になったのは2002年(平成14年)です。この時、商業科を廃止して、普通科となりました。校名が現在の、名古屋経済大学市邨中学校・高等学校になったのもこの時で、制服も新しくなり、校歌も現在の校歌が制定されました。現在の制服は2017年に、伝統の臙脂色を復活させたうえ、最新の素材と斬新なデザインを採用したものです。現在も進行中である学校改革の一環として制定したもので、チャレンジを続ける伝統校にふさわしいものとなっています。
市邨学園は、創立以来、時代の動きを先取りする先進的な学校教育を行ってきました。私たちは、この歴史と伝統を受け継ぎながら、チャレンジを続けていきたいと思います。現在も市邨は、実用的なICT教育環境を整え、生徒一人一台のiPadを活用して、他校に先駆けて、生徒を主役とする新しい教育にチャレンジしています。
生徒の皆さんが、このような世界的な危機の中にあっても、市邨生としてのアイデンティティーを大切にして、誇りを持って、学び続けるよう期待しています。
本校では、創立記念日にあたって、毎年、市邨の建学の精神を体し、人物・学業にすぐれた生徒に「市邨賞」を贈って、その努力をたたえ、表彰しています。今年は、高校からは、本田茜(ほんだあかね)さん、中学は鈴木宙(すずきそら)さんが選ばれ、5月10日に表彰式を行います。これを励みにして、生徒の皆さんが建学の精神を受け継いで努力して欲しいと思います。
今年で創立116年目になります。さらに新しい「これからのIchimura」を作りましょう。