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令和4年度始業式を行いました

令和4年度の始業式を行いました。

晴天に恵まれ、グランドで行いました。桜は満開を過ぎていますが、はらはらと散る花びらの中での式になりました。

素晴しい、充実した一年になるように願いを込めた式になりました。

校長式辞です。

おはようございます。

 桜の花は満開を過ぎて、草木が一斉に芽吹き、春爛漫の4月になりました。令和4年度(2022年度)を皆さんと共に迎えることができて、本当に嬉しく思います。

 まず、始業式の始めに、この春休み中の皆さんの活躍をお知らせしておこうと思います。

 全国選抜大会に出場した部活動の活躍です。大会前には、コロナ感染者が何人か出て、参加できるかどうか大いに心配しましたし、十分に練習ができなかったのではないかと思いますが、市邨の名を背負って皆さんがばってくれました。

 熊本で行われた体操競技では、笠原さんが個人総合優勝を遂げました。段違い平行棒で優勝。牛奥さんが個人総合5位となり、跳馬で優勝しました。加藤さん、伊藤さん、中島さんもそれぞれ素晴らしい成績です。豊田市で行われた女子ハンドボール競技はベスト8に入りました。福岡で行われた男子テニス競技では2回戦進出,栃木県で行われたバドミントン部は、男女とも団体戦ベスト8、個人戦のシングルス、ダブルスでも活躍し、全国に名経大市邨の名を高めてくれました。さらに、香川県高松市で開かれた全国選抜中学校テニス大会では、決勝戦に進出し準優勝に輝きました。素晴しいことです。  このコロナ禍で、その頑張りにどれだけ励まされたかわかりません。頑張った皆さんに感謝したいと思います。全校で、その努力をたたえたいと思います。

  次に文化部の活躍です。3月21日に、文化部合同発表会を開催しました。パフォーマンス、研究発表、作品展示など15の文化部が参加して開催しました。卒業生や保護者の方もたくさん参加して、盛大な会になりました。昨年の文化祭では大幅に縮小されてしまったのですが、年度の最後になってようやく活動の成果を多くの人達に見てもらうことができました。市邨の「コロナに負けない」底力を見た気がしました。

 そして、ボランティアの有志の人達が、ウクライナ難民支援に立ち上がり、街頭で募金活動を行いました。春休中の毎土曜日、今池や栄、名古屋駅前の街頭に立ち、市民の皆さんにウクライナ難民支援を呼びかけました。その様子は、テレビや新聞にも取り上げられ、多くの人達の共感を得ました。市邨生ならではの、これまでの多くのボランティア経験が大きな一歩を踏み出したと言えると思います。このような活動は、今年から発足するユネスコ委員会の活動につながることで、皆さんの積極的な活動を期待しています。

 さて、いよいよ新しい学年が始まります。今年も、当たり前の日常ではありません。世界中でオミクロン株による第6波は収まっていません。3年目のコロナ禍での学校生活が強いられています。学校がコロナ対策についてどのように考え、どのような方針でいるかをこれまでも皆さんに伝えてきました。「コロナを怖れなさい、でも負けてはいけない」というのが、基本的なスタンスです。「コロナを侮らないで、克服する道を探る」ということです。これからも学校の方針はこの考えで進めます。

 毎朝、体温を測り体調管理アンケートに答える、手洗い消毒に努める、そして三密を避ける、密閉された空間、人の密集した状態、会話や話し合い等での密接を避けるということです。つまり、人と人との距離をとる、互いに接触しない、向かい合って話さない、向かい合って食事をとらない、自分の出したゴミは持ち帰る、ということです。この始業式でも、グランドという開放された場所で、互いの距離をとって行っています。卒業式や入学式の参加人数を減らすというのもそのためです。コロナが疑われる風邪症状や感染を心配する欠席は、欠席扱いをしませんが、出席欠席の判断は必ず保護者にしてもらってください。自分の都合でコロナを理由にして欠席をすることは許されません。

 このようなコロナ禍ですが、明日の入学式では、高校生473名、中学生77名が入学します。昨年より32名増えました。全校生徒数は、1577名となります。ここ数年生徒の数は安定して伸びています。それは本校の良さを理解してくれる人が増えているということであり、地域の皆様の期待の表れであると思います。iPadを使ったオンライン授業よって、臨時休校中でも「学びを止めな」かったこと、他の私学や公立校に先駆けてICT教育が進んでいることが評価されています。また、日本を変えるような教育改革が進む中、先頭に立って新しい教育に取り組んでいることが生徒や保護者だけでなく多くの学校関係者に期待感をもって受け止められているということもあります。数年来の授業改革は生徒の皆さんや保護者の方々の協力なくしては進めることはできなかったことです。皆さんに感謝したいと思います。

 社会の変化、というか世界の混乱をこれほど切実に感じさせる3月はありませんでした。毎日のトップニュースはウクライナ戦争です。街が破壊され、黒焦げになった病院や住宅、遺体らしき影、涙も枯れ声も出ない子供たちの姿を毎日テレビやネットニュースで観ています。世界は既に2年以上もコロナで痛めつけられ、未来の不透明さが暗くのしかかってきたころ、ロシアの暴力的な侵攻が始まったのです。昨日までの世界が明日も続くとは限らないことが、明らかになってきました。世界は思っていたより確かではないのではないか、もしかすると明日にも壊れ始めるのではないかという不安が世界を覆っています。

 コロナ禍やウクライナ侵攻の前にすでに社会は大きく変わり始めていました。これまでの慣習や社会生活が大きく変わってきています。ICTつまり情報や通信の技術が目まぐるしいスピードで進化し、これまでになかった社会が出現しています。コンビニなどで買い物をするのにお金は必要ありません。ビットコインなど暗号資産または仮想通貨といわれる、インターネット上の財産など、数年前までは考えられませんでした。しかし、この様な変化でさえ、世界から見れば数年は遅れているといわれます。特に公共機関、とりわけ学校の遅れが指摘されています。ICTへの対応だけではなく、社会の変化に追いついていないということです。ジェンダー、マイノリティ、いじめ、ハラスメント、とりわけ進路決定の不自由など未解決の課題が山積しています。このような課題を解決し、未来を開いていくのはあなた方若者です。そのような若者を育てる教育を担う学校が変わっていかなければならないと考えています。

 今年度から、校則を変更します。昨年度、皆さんや保護者の方からアンケートを通じて様々な意見をもらいました。その結果をまとめて、常識的な規定だけを残して簡単なものにしました。詳しい内容は、後ほど生徒指導部から示されるので、注目してください。ただ、今回の改訂が最終的なものではないと言っておきます。社会は大きく変化しています。規則は正しく前に進むためのものですが、常に見直さないと自分を縛るものになってしまいます。もっと君たちの意見を聞いて、あるいは君たち自身が決定する規則を作ることが必要だと思っています。大切なことは、君たち自身の意見も一通りではないということです。服装の規程を緩くしてほしいという意見もあれば、もっと厳しく規則を徹底してほしいという意見もあります。全員が満足する規則はできませんが、全員が納得する方向は出せるはずです。今回の改訂に続く更なる改訂を期待しています。

 制服については、本校は私学ですので、制服は学校をアピールする大事なアイテムでもあります。生徒の満足感を得ながら、社会に対して本校の清廉なイメージを伝える必要があります。学校の規律が緩んでいるという印象を与えてはいけません。自分の好きなように着崩してもらっては困るのです。服装の規定は、伝統を大事にする学園のイメージを体現するねらいがあります。

 問題行動があったときにどのように指導するかについて定めた懲戒規定というのがあります。この懲戒規定についても見直しをして、皆さんがわかるようにホームページにあげていますので、見ておいてください。

  本年度の本校の教育目標は、「生徒が主体となって、自ら考え、自ら行動する力を養う」です。個々の才能を伸ばして、未来への可能性を広げたいと思います。自分の頭で考え、自分の判断で行動し、自分の意思で責任をとる、そのような人物を市邨で育てたいと思っています。

 最後に、最も言いたいことを言います。勉強しましょう。自分のために、自分の未来のために、他の人と生きるために、世界が救われるために。勉強は、楽しいのです。自分が知りたい、わかりたいと思い、それを見つける行動がどんなに楽しいか。わかったと思った時に、新たに湧いてくる次の疑問、知りたいことが次々に沸き起こる快感を感じてほしい。人に教えられるのでなく、自分で考え、自分で行動することによって得られる、満足感、達成感を味わってほしい。

 本校は、伝統を受け継ぎながら、チャレンジする学校として、教育改革を進めてきました。市邨芳樹先生は、100年前に生徒たちに向かって、「起てよ、憤りを発せよ。有用の人たれ。活舞台に於いて活躍する活人物たれ。世界は我が市場ならずや。」と言って、世界に出ていこうと呼びかけました。コロナウィルスに苦しめられ、世界戦争の不安を感じているこの現代にあっても、本校は同じことを目指しています。創立116年目となる今年度も、自ら考え、自ら行動することによって確かな学力を育んでいくことを目指したいと思います。

 もう一つ、お願いです。コロナウィルス感染症が終息するまで、感染防止の手を抜かないでください。医療に従事する人たちに敬意を払い、感謝の念を持ってください。もし感染者が出ても、濃厚接触者が出ても科学的、医学的な根拠の下に対応して、自分の気持ちをコントロールしてください。偏見や差別感を持つことなく淡々とコロナに立ち向かいましょう。「人間の尊厳」を建学の精神とする市邨がコロナに負けるわけにはいきません。

 令和4年度が、ウィルスに負けないで、生徒一人ひとりが主体的なって学び続ける、充実した年になるよう願います。

この記事の筆者
校長 澁谷有人
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